住友電工は(兵庫県伊丹市)でダイヤモンド工具や立方晶窒化ホウ素(CBN)工具向け超高圧焼結体を増産する。工具製造の一部増強と合わせて約20億円を投じる。完成すれば焼結体の供給能力は現状の2倍位になる。最新の高機能材質に対応した生産設備を導入する。自動車や航空機、太陽電池などの生産現場で難削材の切削工具は需要が増えており、高機能製品の量産体制を整え拡販を計る。
刃先交換式チップに換算して月産10万ー25万個分、同約2億円相当の供給能力増につなげる。原料のダイヤモンドやCBNを粉砕・混合して母材とともにカプセルに充統する工程から超高圧・高温プレス装置で焼結する工程、放電ワイヤ
で切断する工程までを増強する。住友電工の高機能ダイヤモンド焼結体は超微粒子ダイヤを高密度に焼結して不純物を少なくすることで耐摩耗性と強度をたかめた。
一方、CBN焼結体では高純度セラミックス結合材を採用して結合材中の
不純物を低減し、耐熱性と靱性を上げた。これら材質は焼結と粉末混合技術の工夫により完成。
ダイヤモンド工具やCBN工具の需要は拡大している。ダイヤ、CBN工具計の国内生産額(経済産業省の機械統計ベース)は直近の10年10月が前年同月比34.3%増の78億6400万円。10年1〜10月累計も前月同期比65・8%の727億2500万円
と増勢が続いている。この統計から判断しても東京セラミックのINPLATE-IPX-10処理を施すことが、コスト削減の有効な手段となります。